【ゆっくり日記】夢記録-1

  私は高校生に戻っていて、駅のホームに立っていた。まわりにいる人たちの顔は全く見覚えがなかったが、なぜか同級生だと分かった。そして、とにかく今から修学旅行であることも分かった。電車がギギィと錆びた車輪を回しながらホームに入ってくる。私たちは乗り込んだ。

 電車は高架上を行き、日本のどこにでもある地方都市の背の低いビル群を見下ろしながら進んでいく。

 外の景色は普通だったが、電車の内部構造がおかしかった。

 私がいる車両は、3メートル四方の真四角という形をしていた。内壁は黒々とした紫色に塗られていて、座席のカバーも同じだった。ところどころで、意味のわからないランプが点滅している。また、お経のようなBGMが響いていた。

 「電車っていうか仏像だね」と誰かが言った。ホームに入ってきた時は極普通の電車だと思っていたのに、いつのまにか車両は仏像ロボットに変形していた。私たちの車両が四角いのは、どうやらロボットの頭部にあたるためだったようだ。

 私は訳が分からなくなったので、窓を開けて再び「普通の」景色を見ようとした。

 気がつけば南国であった。輝く白い砂浜、どこまでも深い青空。ぽつぽつと生えているヤシの木。

 風が私を窓の外まで放り出した。しかし、落ちたのではなかった。上昇気流ようなものが吹いていて、どうやら空を飛べるらしい。

 南国風のこの場所は、上空から旋回して眺めると非常に美しかった。これほどビビットな色彩の乱舞はこれまで経験したことのないものだった。海からは、爽やかさだけを詰め込んだような鮮烈な匂いがした。日本海側で生まれ育った私にとって、海とは磯臭く、陰気臭い場所のはずだが、ここの海はまったく違った。

 しばらく空を飛んでいたが、「修学旅行に戻らねば」という思いをようやく抱いた。「おいて行かれてしまう」と焦燥感を覚えた。早く、早く。

 

 そして目が覚めた。